転職すれば、少なくとも気持ちは軽くなる。
どこかで、そう思っていました。
実際、理不尽な叱責や意味のない残業はなくなり、
精神的な負担ははっきりと減りました。
ただし――
転職後の現実は、想像していたよりもずっと複雑でした。
■ 想定外①:仕事は楽になったが、楽ではなかった
職場環境は確実に良くなりました。
それでも、仕事そのものが簡単になったわけではありません。
分からないことが、とにかく多い。
業界用語、社内ルール、仕事の進め方。
一つひとつは些細でも、積み重なると意外と消耗します。
特にしんどかったのは、
それを「聞くこと」自体にストレスを感じてしまったこと でした。
転職前の自分なら、
ある程度は分かっていて当たり前の立場だった。
聞かなくても回せる仕事も多かった。
その記憶がある分、
「こんなことも分からないのか」と
無意識に自分を比べてしまう。
これは正直、想定外でした。
■ 想定外②:助けてもらえるが、距離はある
新しい職場の人たちは親切です。
質問すれば、きちんと教えてくれます。
それでも、
「何度も聞いていいのか」
「今、声をかけていいのか」
そんなことを考えてしまう。
これは相手の問題ではなく、
自分の中に残っていた感覚なのだと思います。
■ 想定外③:想定していたが、やはり比べてしまった
前の会社と比べてしまうことは、
ある程度は想定していました。
ただ実際には、
思っていた以上に無意識で比べていました。
仕事のスピード、理解力、立ち位置。
「前の会社なら、ここまで説明はいらなかったな」
そんな考えが浮かんでは、
自分で自分にプレッシャーをかけてしまう。
辞めた会社を美化しているわけでも、
戻りたいわけでもありません。
それでも比べてしまうのは、
それだけ長い時間、
同じ環境で働いてきた証拠なのだと思います。
■ 想定外④:それでも「割り切るしかない」と思えたこと
ただ、この状況については、
ある時から考え方を切り替えました。
分からないことが多いのは、当たり前。
聞くのがしんどいのも、今だけ。
これはもう、割り切って覚えるしかない。
そう思えたことで、
少しずつ気持ちが楽になりました。
完璧にやろうとしない。
前の自分と比べない。
今は「慣れる時期」だと受け入れる。
それだけで、
無駄なストレスはかなり減りました。
■ それでも救われた想定外
想定外なことは多くありました。
それでも救われたのは、
聞けば、ちゃんと教えてもらえる
分からないことを責められない
無理をしなくていい空気がある
という環境でした。
■ 想定外は、失敗ではない
転職後の想定外は、
失敗のサインではありません。
むしろ、
現実をちゃんと生き始めた証拠 だと思います。
分からないことに直面し、
それでも前に進こうとしている。
それだけで、
転職した意味は十分にあるのだと思います。

コメント