転職すれば、前の会社のことは自然と忘れていく。
最初は、そんなふうに思っていました。
けれど実際には、
ふとした瞬間に、前の会社を思い出すこと が何度もありました。
それは大きな出来事ではなく、
日常の中に紛れ込むような、ごく些細な場面です。
■ 思い出したのは、特別な出来事ではなかった
たとえば、
会議の進め方
ちょっとした報告の言い回し
上司や先輩の言葉のトーン
ミスが起きた時の空気感
新しい職場で過ごしている最中に、
突然、過去の記憶が重なってくる。
「ああ、前の会社ではこうだったな」
そんなふうに、
何気なく思い出す瞬間がありました。
■ 懐かしさや未練は、正直あった
正直に言うと、
懐かしさや、未練のような感情がなかったわけではありません。
長い時間を過ごした会社です。
そこでの日々や人間関係を思い出して、
少し胸がざわつくこともありました。
ただ、それと同時に強く思ったのは、
この転職は、自分で決めたことだ という事実でした。
誰かに言われたから辞めたわけでもなく、
勢いだけで決断したわけでもない。
悩んで、考えて、準備して、
それでも「辞める」と決めたのは自分自身です。
■ 比較してしまうのは、仕方ないと思っている
前の会社と今の職場を比べてしまうこともあります。
これは転職前から、ある程度は想定していました。
長年、同じ環境で働いてきたのだから、
無意識に比べてしまうのは、仕方のないことだと思います。
比べること自体が悪いのではなく、
その比較とどう向き合うかが大切なのだと感じています。
今は、
「前の会社はこうだった」
「今はこうなんだな」
そうやって整理している途中なのだと思います。
■ 比較したからこそ、見えたもの
前の会社を思い出し、今と比べたことで、
初めて見えてきたものもありました。
それは、
自分がどれだけ気を張って働いていたか、ということです。
先回りしすぎる癖
怒られないための確認
失敗しないことを最優先にする思考
新しい職場では、
そこまで身構えなくても仕事が進んでいる。
その差に気づいたとき、
「ああ、自分はかなり無理をしていたんだな」
と、少し客観的に思えるようになりました。
■ それでも、戻りたいとは思わなかった
懐かしさや未練があっても、
「戻りたい」と思ったことはありませんでした。
それは、
前の会社が嫌いになったからでも、
すべてが間違っていたからでもありません。
ただ、
今の自分には、あの環境は合わない
そう、はっきり分かったからです。
■ 思い出すことは、前に進めていない証拠ではない
転職後に前の会社を思い出すと、
「まだ引きずっているのではないか」
そう不安になる人もいるかもしれません。
でも今は、こう思っています。
思い出すことは、
前に進めていない証拠ではない。
むしろ、
過去を整理している途中 なのだと。
■ 記憶の質が、少しずつ変わってきた
時間が経つにつれて、
前の会社を思い出す頻度や、
その時の感情も変わってきました。
強い感情が湧くことは減り、
「あの時は、あれが精一杯だったな」
そう思えるようになってきた。
それはきっと、
今の環境で少しずつ呼吸ができるようになったからだと思います。
■ 今、転職を考えている人へ
もし今、あなたが
辞めた後も引きずりそうで不安
前の会社を忘れられる気がしない
本当に切り替えられるのか怖い
そう感じているなら、
無理に忘れようとしなくていいと思います。
思い出しながら、比べながら、
少しずつ整理していけばいい。
それでも人は、
ちゃんと前に進んでいけます。

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