入社して数年が経った頃、僕はある重要な業務を任されました。
社内でも注目されていた仕事で、「結果を出さないといけない」という気持ちも強かったと思います。
けれど、現実はうまくいかず、思った通りの成果を出すことができませんでした。
会議では厳しい指摘が続き、周りの空気も冷たくなっていく。
最終的に、その業務は僕の手から外されることになりました。
悔しさと情けなさが混ざったような気持ちでした。
■ それでも、営業としての数字だけは落とさなかった
失敗した業務は任せてもらえなくなった。
でも、それと「営業としての仕事」は別だと思っていました。
だから、訪問を続ける。
小さな案件でも積み上げる。
とにかく売上を作ることだけはやめなかった。
「失敗した自分」を引きずらないようにするためにも、
毎日できる行動に集中しました。
■ 変化は、ある取引先の方からの一言から始まった
そんなある日。
訪問したある取引先の重役の方から、一言いただいたことが転機になった。
「あなたはいつも丁寧にやってくれてる。頑張ってるね。
本社にも伝えておくから。」
後日、本当にその声が社内に伝わっていました。
上司からも「お前、評価されてるぞ」と言われ、
社内の目がほんの少しだけ変わったのを感じました。
自分では気付けなかった努力を、取引先が見てくれていた。
それだけで、胸に溜まっていた重さがスッと軽くなった気がしました。

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