/親子ローンという言葉はなかった
家を買う話が進む中で、
父親から「親子ローン」という言葉を
はっきり聞かされた記憶はありません。
ローンの仕組みについても、
どういう責任が発生するのかについても、
詳しい説明はありませんでした。
ただ、
「一緒に組む」
「名前を書いてほしい」
そんな話だけが進んでいきました。
サインの前に聞いたこと
書類に名前を書く前、
僕は父親にいくつか質問をしました。
・自分は将来自分の家を買えるのか
・家を出たい時に、自由に出られるのか
・自分に迷惑はかからないのか
今思えば、
かなり核心を突いた質問だったと思います。
でも父親の返事は、
どれも同じでした。
「大丈夫だよ」
信じてしまった理由
父親の言葉を、
僕はそのまま信じました。
母親の借金で苦しんでいた時も、
無職の期間があった時も、
何も言わずに家に置いてくれていた。
そのことに、
僕は強い「恩」を感じていました。
だから、
疑うよりも先に
「信じなければいけない」
そんな気持ちになっていたのだと思います。
今なら分かる、歪んだ感謝
ただ、今になって思うことがあります。
無職の期間は、
僕だけの責任だったのでしょうか。
家庭の事情、
母親の借金、
進学を断たれたこと。
そうした積み重ねがあったからこそ、
あの時間が生まれていました。
それでも当時の僕は、
すべてを自分の弱さとして受け取り、
「感謝しなければならない立場」
だと思い込んでいました。
今思えば、
あれは感謝ではなく、
立場の歪みだったのだと思います。
そのサインが意味するもの
この時のサインが、
後になって
どれほど重い意味を持つものだったのか。
この時の僕は、
まだ知りませんでした。
「大丈夫だよ」
その一言を信じた結果、
何が起きるのかも。
※ この体験についての背景や構造は、
「親子ローンはなぜ断れなくなるのか」という記事で整理しています。

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