【第10話】会社に染まり、“異常さ”に気づけなかった頃

入社して数年が経った頃、今思えばおかしい環境の中で働いていました。

当時の先輩たちは若く勢いがありましたが、その勢いは完全に悪い方向に向かっていて、
パワハラもセクハラも日常茶飯事。
20年くらい前の話なので、そういう時代背景もあったのかもしれませんが、それでも異常でした。

さらに厄介だったのは上司です。

・現場を見ていない

・取引先の状況も把握していない

・商材の知識もアップデートされていない

・戦略も戦術もなく「どうすればいいか自分で考えて売ってこい」で終わり

正直、今振り返るとどうやって組織が回っていたのか不思議です。

それでも当時の僕は、
「会社ってこんなものなんだろう」
と思い込み、自分自身も会社の社風にだんだん染まっていきました。

■気づかないまま受けていた“パワハラ”

僕自身も、今思えばまあまあパワハラを受けていました。

不意に「お前、いつ辞めるの?」と言われる

帰ろうとしたら「なんで仕事の途中で帰るんだ」と怒鳴られる(※仕事は終わっていて、時間は21時すぎ)

皆の前で「お前の仕事の出来は2点だ」と評価される

完全にアウトな言動ですが、当時の僕はそれを“普通のこと”として受け入れていました。

今ならハラスメント相談窓口に駆け込んでいいレベルですが、当時は若さもあって、

「社会ってこういうものなのかな」
と納得しながら淡々と仕事を続けていました。

■それでも心の奥では…

とはいえ、心の奥のどこかでは、
「いつか立場を逆転させてやる」
という負けん気も静かに燃えていました。

理不尽な環境に押しつぶされながらも、どこかで自分に期待していた部分があったのだと思います。

ただ、この時点ではまだ──
自分が“異常な会社”にいる
という感覚はほとんどありませんでした。

完全に会社の空気に染まっていたのです。

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